クリーニングの機械とは?クリーニングに用いられる業務用機械の特徴を解説

クリーニングの機械とは?クリーニングに用いられる業務用機械の特徴を解説

クリーニングには大きく分けて3種類の洗い方があります。それは「ランドリー」「ドライクリーニング」「ウェットクリーニング」です。ランドリーは大型ドラム洗濯機を用いた水洗いです。ドライクリーニングは水ではなく油を用いて洗濯をする方法であり、主にフォーマルアイテムの型崩れを防いだり、柔らかい繊維質の衣服を負担なく洗ったりする場合に用いられます。ウェットクリーニングは衣類に負担をかけない水洗いです。

今回は、こうしたクリーニングに用いられる業務用の機械を紹介します。

大型ドラム洗濯機による水洗い「ランドリー」の仕組み

まずは通常一般家庭あるいはコインランドリーでも用いられる、水洗い用の大型ドラム洗濯機からご紹介します。

特徴としては、ドラム式であることによって回転を行うことによる遠心力や、上下へ衣類が叩きつけられることで汚れが落ちるような仕組みになっています。そして通常の一般家庭用洗濯機の水洗いと異なり、高温のお湯での水洗いができることが特徴的であり、より短時間かつ効率よく大容量を一気に洗濯できるというメリットがあります。

洗濯乾燥機として乾燥機能をも含めたものが人気であり、大きく分けて50kg未満と50kg以上という容量の違いがあります。値段は50kg未満の中古で50万~100万前後、50kg以上の中古で100~200万円ほどが相場です。主なメーカーとしてはTOSEI、山本製作所、アサヒ製作所などがあります。

ドライクリーニングの機械の仕組み

ドライクリーニングの業務用洗濯機には、大きく分けて石油系とそれ以外の溶剤を用いたドライ機があります。

機械の構造としては普通の洗濯機と同じようにドラム型の洗濯機が用いられますが、水洗いではなく有機溶剤によってクリーニングを行うことが最大の特徴です。洗濯するものを有機溶剤に浸し、洗濯機内で回転させることでクリーニングが始まります。基本的に回転により汚れを落とす仕組みはランドリー式と変わりません。

場合によっては洗剤や微量の水を加えて、水溶性の汚れを同時に落とす場合もあります。これは石油系の溶剤も他の溶剤も同じですが、使用した有機溶剤は排水溝に流せないため、回収し再利用することが前提となっています。

石油系ドライ機

石油系ドライ機において用いられる有機溶剤は、5号工業ガソリン、通称「クリーニングソルベント」、あるいは、石油系混合溶剤「ターペン」などが用いられます。ターペンは特定有害物質に指定されていないので、比較的用いやすいという特徴があります。

主要なメーカーとしては山本製作所、日本プレス、TOSEI、サンヨーなどがあり、価格は中古で40万~200万ほどとなっています。

他溶剤系ドライ機

塩素系溶剤ではパークロロエチレン、テトラクロロエチレン、といったものが用いられます。洗剤を用いる場合は陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤をどちらも使い、水の量は有機溶剤の1000分の1程度に抑える場合が多くなっています。

主要なメーカーとしては山本製作所、三菱などで、中古の価格相場は250万~350万ほどとなっていてかなり高価となっています。

ウェットクリーニングの機械の仕組み

ウェットクリーニングとは水洗いの洗濯であり、かつ衣類への化学的・物理的な負担、ダメージを極力抑えた状態で行うクリーニング方法です。ドライクリーニングをするべき衣類であったとしても水溶性の汚れがひどい場合など、ドライクリーニングだけでは対応しきれない場合に用いられています。

平成28年12月よりJIS規格による商業ウェットクリーニング絵表示が追加となり、よりわかりやすく体系が整ってきました。しかしまだまだ詳細な部分まで基準が整っていないこともあって、洗浄に際して水槽やタライを用いた押し洗いから、ランドリーレベルまで強くはなくとも弱い力での機械動作によって洗浄する場合までさまざまです。

ウェットクリーニングは適正なバランス感が衣類の状態によって細かく異なる手法のため、適宜洗剤などの調合を調整する必要があり、洗濯後のケアも細やかに実施する必要があり、多めの手間暇がかかります。

国内で3台しかないドイツ製の機械「K16」は環境に優しい

まだまだ日本ではメジャーではない炭化水素系によるドライクリーニング洗浄剤を用いる、日本において数少ないクリーニング店にしか導入されていない機械があります。それがドイツのメーカー「BÖWE」のクリーニングマシン「K16」です。

K16は日本国内に3台しかないと言われる珍しいドライクリーニングマシンで、完全コンピュータ制御であり、外部蒸気あるいは電気で操作可能です。気化した洗浄剤を蒸留させることによって97%の洗浄剤回収を行えることもあり、環境に優しい機械となっていますが、日本国内に3台ということでほとんど導入は進んでいません。

炭化水素系ということもあって、気化した洗浄剤によって油脂類、ワックス、水分などの除去に高い能力を発揮します。また有機溶剤を用いないので、有機溶剤特有の刺激臭もありません。

ドイツでは環境基準が世界一厳しいと言われており、その厳しい環境基準をクリアしたことでも話題です。

まとめ

以上、クリーニングの機械にはどういったものがあるのか、種類別かつ網羅的にひととおり解説・紹介してきました。特にドライクリーニングでは、有機溶剤がメインでありながら炭化水素系などの新たな環境に優しい手法が用いられ始めているなど、よりエコなクリーニングが実現しつつあります。

東京日本橋にて創業100年を迎える「太陽クリーニング」は、特に最後にご紹介したドイツのメーカーによるクリーニングマシン「K16」を導入している数少ないクリーニング店です。K16を用いた高品質かつ環境に優しいドライクリーニングを導入していることもさることながら、長年蓄積された独自の技術が特徴で、高度なシミ抜き技術でも有名です。

他店では落ちなかった頑固なシミも、もしかすると落ちるかもしれません。ぜひ一度ご相談ください。

  • banner04